夏休みに入り7月末の吹奏楽コンクールが終わるとついに長女に限界が来ました。
あんなに頑張っていた部活に行けなくなったのです。
朝から全く起きれず、声をかけても反応しないくらい深く眠ったまま。
さすがにこれはおかしいとようやく病院に連れて行きました。
「起立性低血圧の検査をしてみましょうかね。」
とかかりつけの小児科のおじいちゃん先生が言いました。
長女は以前から立ち眩みがしていたようで、結果は起立性低血圧でした。
数値的にひどくはないと言われましたが、その他の症状を見るにとてもそうは思えませんでした。
今なら理解できるのですが、起立性調節障害により起こる症状が起立性低血圧です。
そのため治療として血圧を上げる薬を処方されます。
原因となっている起立性調節障害は自律神経の病気なので特効薬はありません。
木で例えれば起立性調節障害は根幹であり、起立性低血圧をはじめ頭痛、胃腸障害、起床困難、睡眠障害などの不定愁訴は枝葉。
長女は血圧を上げる薬、頭痛の薬、腹痛の薬を服用しましたが、効果のあったものはありませんでした。
その頃の私は藁にも縋る思いでさまざまな方法を試しました。
総合病院で検査をし、脳神経外科でMRIをし、漢方専門医に診てもらい、鍼灸院に通いました。
結果、効かない薬が山のように残っただけでした。
それでも諦めきれずインターネットや本で東洋医学や漢方薬の勉強をしました。
その頃の長女は手足が冷たく、足首は象のように浮腫んでいました。
学校に行けなくなると食も細くなり、顔色は常に悪く、腹痛を起こすとさらに紙のよう真っ白になりました。
私は恐る恐る半夏白朮天麻湯という漢方を与えてみました。
すると服用して2日目、長女にしては珍しく昼から夕方まで眠ったのです。
聞けばとてもだるくて眠かったというのです。
心配でしたが2週間ほど服用させると、少し食欲が出はじめ、足の浮腫みが目に見えてよくなりました。
しかし、めまいと頭痛、腹痛には特に効果はなかったようです。
後にも先にも急激に変化があったのはこの時だけでした。
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